2007年6月1日金曜日

外国銀のキャリー・トレード

外国銀行の日本支店から海外へ送金した額が、昨年末で22兆円だったというニュース。

「外国銀の日本拠点、海外送金が最高に・昨年度末、22兆円」(Nikkei Netより記事を引用)

 日本に拠点を持つ外国銀行が国内から海外に融通した資金は2007年3月末時点で21兆9200億円に達し、年度末で過去最高になった。金利が低い日本の市場でお金を調達し、海外で運用する「円借り(キャリー)取引」が増えたためだ。日銀は「為替相場を大きく変動させる要因になりかねない」と注視している。

 日銀が外国銀行の日本支店64行の取引をまとめた。海外に送った資金は前の年度末に比べて3割増え、2年連続で増加した。日本で調達した円はドルやユーロなどに替えて海外に送金するため、円借り取引は円売り、ドル・ユーロ買いを伴い、円安要因になる。資金は海外市場で、利回りが高い金融商品への投資などに充てているとみられる。(07:03)


考えてみれば、日本が低金利、実質的にゼロ金利状態が長く続いてきた。それは昨年だけではない。それなのに、こうしたニュースは以前はあまり聞かなかった。

今年に入ってから、特に円キャリー・トレードの話が新聞などに載るようになったが、奇妙なことに、それはゼロ金利を解除してから聞くようになった気がする。

ゼロ金利が解除される前の数年間、円キャリートレードは盛んに行われていたはずだ。調達コストがゼロなのだから、当然に円キャリーをするだろうし、またしなければおかしい。

それなのに、ゼロ金利まっただ中の時は、誰も何も言わないのだ。その時に起こっていることは、知っている人間は黙っているということなのだろう。おかしいといえばおかしいことだ。

後から、つまり1年後、2年後、3年後になって、やっと何が行われていたのか、本当のことが分かる。これではマスコミやニュースの意味がないではないか。

マスコミなど、所詮はそんなものだとして、諦めることにする。しかし記事にある小さな何気ない言葉や記述にもこだわって、そこに何かあるのではないか、と疑るスタンスだけは、自分は変えないつもりだ。

もちろん、こうやってブログでニュースとメモを書き留めているのも、そのためだ。