2007年6月17日日曜日

株の恐ろしさ

オー・エイチ・ティーの株が暴落したことで、信用買いでの資金を回収できない証券会社が出てきているらしい。


「2007/06/16-06:15 証券会社、数十億円損害の恐れ=東証マザーズ・OHT株急落」(時時ドット・コムより記事を引用)

 東証マザーズ上場の電気検査装置製造「オー・エイチ・ティー」(OHT、広島県福山市)の株価が先月急落し、信用取引を行っていた顧客に貸した資金を回収できない証券会社が相次いでいることが、16日までに分かった。回収に支障が出ている証券各社の損害額は合わせて数十億円規模になる可能性がある。
 OHT株は今年、1株101万円から150万円の間で推移。5月に入って120万円前後で取引されたが、同15日から急落、同月のうちに10万円台まで値を下げた。今月15日の終値は15万7000円だった。


ヤフーでオー・エイチ・ティーの株価の推移を見ると、こんな感じで暴落していた。これを見ると株の怖さが分かる。これは新興市場の銘柄の怖さでもある。東証一部に上場している企業、それも一流で立派な会社の株であれば、このような動きをすることはまずない。

ITバブル崩壊の時でも、オー・エイチ・ティーほど急激な下げではなかった。(もっともそれに近いところはあるが)120万前後で推移していた株がいきなり20万割れの15万7千円なんていう数字になってしまった。

これを買った人はどうなってしまうのだろうと心配になる。信用で買っていた人はもうすってんてんだが、現物で買った人も悲惨だろう。もう株価は元に戻る公算はかなり低い。

このオー・エイチ・ティー株は2005年から上がり出したが、上がる以前の株価と現在の暴落した株価とがだいたい同じくらいの額だ。

きっと今までの高い株価はバブルだったのだろう。今は元の株価に戻っただけだ。

それにしても証券会社が信用で貸した金を回収できないというのは、はじめて聞いた。普通、信用取引きであれば、追証があるし、これを差し入れないと、強制的に株は決済されてしまうはず。

チャートを見ると、5月に大きな窓を開けて下げた。たぶん、ストップ安の連続で値がつかなかったのだろうか。それで追証の差し入れや決済が遅れたのかね?

それにしてもこの下げは異常だ。空売りでもかけないと、ここまで下げることはできないはず。しかし、この銘柄は貸借銘柄ではなっかたはずだ。では一体、どうしてこんなに下げたのか?

下げの理由は決算で赤字を計上して下方修正したということがあったが、6月15日の発表では、「連結が07年4月当期赤字転落4.17億円、08年4月予想3.13億円の黒字」というものだった。赤字額は大きく売り込まれるほどのものではないし、これが暴落した理由だとは思えない。

それに株が暴落し出した時点では、正確な数字はともかく、確か下方修正自体の発表もされていなかったんじゃなかったのか?

つまり結局は、これだけ暴落する理由は今でもよく分からないのだろう。やはり新興市場の株などに手を出すべきではないのだろうと思ってしまう。

それにしてもオー・エイチ・ティー株をここまで売り込んだ者が誰なのか興味がある。どこかの外資が売り込んだのかも知れず、これならあり得るところだ。