2007年6月4日月曜日

上海株の下落

上海株が下落している。今まで上げるだけ上げてきたようで、そろそろ調整が来たのだろう。この調整がどの程度のものなのかで、日本株への影響が決まる。


「上海株、一時7.6%安 世界同時株安以来の下落率」(asahi.comより記事を引用)
2007年06月04日15時09分

 週明け4日の中国・上海株式市場は、株式投資過熱抑制策への警戒感が根強く、個人投資家を中心に売りが膨らみ続落している。市場全体の値動きを反映する上海総合株価指数は一時、前週末終値(4000.742)比で7.6%下げ、3700を割り込んだ。世界同時株安のきっかけとなった2月27日以来の下落率だ。

 午前の取引は、前週末終値比4.59%安の3816.972で終わった。



「上海株が大幅続落、終値8.26%安」(Nikkei Netより記事を引用)
 【上海=渡辺園子】4日の上海株は続落。上海総合株価指数は前週末終値比8.26%安の3670.401で取引を終えた。株式取引にかかる印紙税率引き上げで急落した30日の下げ幅(6.50%)を上回る大幅下落となった。 (16:41)


今日の上海市場は大幅下落だったようだ。これが単なる調整なのか、それとも株式バブルがはじけた、という恰好のものなのか、そこが問題である。

確か上海株は制度上、空売りがなかったと思う。現物だけでやっている市場ではなかったか?中国の株式市場には先物も存在しなかったと思うので、急激な株式の下落はないと思える。

売るにしても現物だし、よほどのことがないと現物株で損切りなしないだろう。空売りがあれば、下落局面で猛烈に売り込む投機筋が出てくるが、それがないとすれば、単なる調整に終ると見た方が無難だという気がする。

確かポールソンが先物市場を開設するように中国側に働きかけていたと思うが、先物もないので、株価操作もそんなにはできない。これはヘッジファンドみたいな投機筋が、投機的な仕掛けができない、ということでもあるが、同時に市場を安定させようとしても、先物などを通じて操作することはできないという意味でもある。まあ、先物がないのも、市場が複雑化しないだけマシという気もするが。


信用取引で、空売りができないからといって、それでは一切、空売りのようなものができないのかと言えば必ずしもそうではない。

例えば少し前に、ゴールドマン・サックスが不二屋が不祥事を起こした時に、貸借銘柄でもない不二屋の株を空売りしていたのが、ネット上で話題になった。

これは生保などの大株主から株を借りて、それを高い所で売り、下がったところで買い戻せば、儲かるというものだ。ここからも分かるように信用取引きなどなくても、空売りはできるのだ。

だから上海市場でも大株主から株を借りて、それを売り、下がったところで、買い戻して株を返却すれば、儲けることができる。少なくとも論理上は可能だ。

こうやって株価や市場を操作することは可能だろう。中国にはすでに外資がたくさん入り込んでいるから、金融技術に通じた連中も、うじゃうじゃたくさんいるはずだ。この連中が何か機会でもあれば、上海株を売り込んだり、株価や市場を操作することはできるだろう。

ともかく下落局面が続いたり、下落率が高い場合は注意したい。