2007年6月3日日曜日

年金問題、入力ミス2割 都内の台帳対象に調査

年金問題で、オンライン上に納付記録がなく、東京都内の年金台帳には、そのうち2割の記載があったというニュース。


「年金、入力ミス2割 都内の台帳対象に調査」(asahi.comより記事を引用)
2007年06月02日15時08分

 過去に支払ったはずの年金保険料の納付記録が見つからず、受け取る年金額の目減りなどが生じている問題で、社会保険庁のオンラインシステム上で見つからなかった年金記録のうち約2割が年金台帳には記載されていたことが、同庁の東京都内を対象とした調査で明らかになった。台帳からの入力ミスなどが原因とみられる。「宙に浮いた年金」はオンライン上に5千万件あり、政府・与党は持ち主の確定を進める考え。だが、調査結果にもとづくとオンライン上にない記録も相当数あるとみられ、救済が不十分となる可能性が高い。

 調査は、3月15日から同月末までの間に、オンラインでは記録が見つからず、東京都内分のマイクロフィルムに保存されている台帳での照会を求められた358件について実施。うち17%にあたる61件で実際に記録が見つかった。

 年金の納付記録は紙の台帳や磁気テープなどで保管されていたが1988年の完全オンライン化に伴い、コンピューターに入力した。その後も、厚生年金の台帳と国民年金の台帳の一部は、マイクロフィルムで保存されている。

 建前上は、台帳の記録はすべて正確にオンライン入力されているはずだが、生年月日の入力漏れや、名前を間違って入力したケースがあることを社保庁も認めている。今回の調査結果は、何らかの事情で記録自体をまったく入力しなかったか、検索不能なほどの大きな入力ミスがあった恐れを示している。

 都内で05、06年度の2年間に、オンライン上に記録が見つからず、台帳にさかのぼって照会した件数は約18万5千件に達する。社保庁はこのうち実際に記録が見つかった件数を明らかにしていないが、今回の入力漏れの割合を単純にあてはめれば約3万1千件。

 政府・与党は今後1年間で、全国で5千万件あるオンライン上の「宙に浮いた年金記録」と、年金受給者や保険料を支払っている人の名前・生年月日とを突き合わせ、持ち主を割り出す方針だ。

 しかし、そもそもオンラインに未入力の記録があるなら、記録の統合は不十分となり、問題は解消できない。そのため、民主党は「台帳とオンライン上の記録をすべて突き合わせてミスを修正した上で、5千万件の照合をするべきだ」と主張。一方、政府・与党は「突き合わせには10年ぐらいかかる」として、まず5千万件の統合を優先させる考えだ。


当ブログで、以前に年金問題について触れた時、都内や都市圏では年金の納付記録が見つからない、という問題は起きにくい、と指摘したら、案の定、都内では台帳から記録が判明したケースが出てきた。

都市圏で年金納付記録を消したら、パニックが起こるか、暴動が起こるんじゃないか、と書いた。都市圏で年金納付記録を消したら、国民の管理をするのが非常に難しくなり、何とか記録の消去を避ける動きになると個人的には読んでいた。そうしたら、案の定、こうしたニュースが出てきた。

なぜ東京の台帳だけがチェックされたのか、この記事には書いていない。今後他の都市や地方でも、台帳を確認していく作業をするのだろうか?大阪や神戸、名古屋などでの大都市圏ではチェックされるだろう。また福岡や長崎あたりもチェックされるのだろう。

肝心なのは、田舎みたいな所だ。台帳がどうなっているのか、不安の所だ。今後、どれだけ台帳をチェックされるのか分からないし、チェックした結果を素直に公表するか否かも不明だ。社会保険庁のやることなど、まったく当てにならないし、信用もできない。社会保険庁の動きや行動は、国民は、もっと批判的になるべきだ。いや、それだけではなく、逐一、チェックして、おかしな箇所や辻褄の合わない箇所があれば、ちゃんと問題にすべきである。

こうしたことは本来、知識人がしっかりとしていないとダメだが、肝心の知識人がしっかりしていないので、国家の責任の追求ができない。知識人はちゃんと国家を批判すべきである。


それにしても、年金の納付記録が消えた問題で、年金をまじめに払ってきた人々の間では、国家に対する不信感を惹起したと思う。

記録が消えて、年金お貰えない人や、大幅に受給額が減った人を見たら、もう、まじめに年金を払うという人は減るのではないか。せっかく払っても、貰えないのでは話しにならない。

これから払い続けても、いつ記録データが消えるのかも分からないし、また入力ミスで、いつ記録が消されるのかも分からない。だから自分の年金が貰えるのか、不安で仕方がない。

こうした不安を抱えたままでは、年金を払い続けるのはどうも怖い。だから、ただでさえ、国民年金の支払いの悪い状態なのに、もっと払う人が大幅に減る可能性もある。

その時は、現在の年金制度は、あっという間に崩壊する。もう団塊の世代に支払う年金はないだろう。

本当にこの国の状態は恐ろしい段階に入ってきたのだな、という思いを強くする。これに加えて、政府の借金が1000兆円近くあるらしく、こんなのは、とてもではないが、支えきれないし、誤摩化しきれない。また先延ばしも難しい。一体、どうしたら良いのだろうか?