2007年5月9日水曜日

日本がF22戦闘機を導入だと?

アメリカが日本に次期主力戦闘機として、F22という高性能の戦闘機を輸出するらしい。自分がこのニュースを知ったのは、日本のニュースサイトではなく、たまたま見つけた韓国の主要新聞社である、朝鮮日報の社説の記事からだ。

もちろん、このサイトは日本語サイトである。ちなみに、調べてみると韓国の新聞社で他にも日本語サイトを作っているところがある。ハングル語と、あとはせいぜい作って英語のページだと思いきや、日本語のページもちゃんと作ってある。これは少々個人的には意外であった。

この社説を読んでから、朝日や読売、産経や共同通信、日経のサイトで記事の検索をしたが、同じ内容のニュースを発見できなかった。

F22戦闘機を日本がアメリカから買う、なんて話ははじめて聞いた。そんなことは日本の新聞に載っていたのか?おそらく載っていないだろう。いつの間にそんなことが決ったのだろう?

またに外国の新聞社の記事内容と日本の新聞社の記事の内容とはで、同じ対象を扱っていても、どうも内容が違っているとか、日本では報道されないのに、外国ではちゃんと報道されていて、報道されるのが当たり前だったのに、という話はしばしば聞く。

例えば、こんなF22を日本が導入なんて問題がそうなのかね?もっとも最近は ニュースはもっぱらネットで読んで(これだとタダで複数読めるのが利点)紙の新聞を読まなくなっている。もしかしたら紙の新聞では報道されているのかも知れない。

とにかく、その朝鮮日報の社説を引用しておく。


【社説】北東アジアに日章旗をつけたF22戦闘機が出現する(朝鮮日報のより)

 米国が日本にF22戦闘機を100機輸出する計画であることが、公式に確認された。米国がF22戦闘機を輸出するのは初めてのことだ。

 F22は隣国の空軍力を無力化することも可能なほどの戦闘機だ。レーダーに探知されないステルス機能を持っており、レーダー探知の範囲も他の戦闘機よりはるかに広い。機動性も飛躍的に高まっている。

 外から見られることなく、自分は周りをよく見渡しながら素早く移動できるのだから、最初から勝負は決まったも同然だ。F22戦闘機とF15、F16、F18といった他の戦闘機との間で模擬空中戦を行った結果、勝敗は144対0だったという。F15やF16中心の大韓民国の空軍では、F22を導入した日本空軍力には歯が立たない。

 今韓国は北朝鮮からは核・ミサイル・生物化学兵器の脅威にさらされると同時に、中国と日本の激しい軍拡競争のはざまに立たされるという、二重の困難に直面している。中国は人工衛星をミサイルで迎撃して世界を驚かせた上に、今後も原子力潜水艦を増強し、10年後には航空母艦を就航させる計画でいる。

 日本が中国の戦力強化を指をくわえて見ているはずがない。米国も日本のミサイル防衛や空軍・海軍の増強を積極的に支援し、中国をけん制している。その米国が安倍首相の訪米に合わせ、F22戦闘機を100機輸出することを決めた。米国は日本にF22を輸出する理由として、北朝鮮の核・ミサイルによる脅威と、中国空軍の進歩を挙げた。

 一方で米国は、そうした脅威にさらに直接的にさらされている大韓民国など念頭にもないようだ。米国は日本にF22戦闘機を売るために、2015年まで同戦闘機の輸出を禁止している法律を改正する構えまで見せている反面、韓国への無人偵察機RQ‐4グローバル・ホークの輸出については、まだはっきりとした返答を行っていない。今や米国と日本は大韓民国を遠ざけ、その空席にオーストラリアを据えて、この3国で太平洋地域の安保連帯を形成しつつある。

 韓国国防部は日本のF22導入を受け、F15K級の配置が決まっていた空軍戦力の増加計画を見直すことにしたという。しかしF22戦闘機は米国が韓国に売ってくれるかどうかもはっきりしない上、価格も1機2000億ウォン(約 260億円)とF15Kの2倍もするため、すぐには手が届かないのが現実だ。

 核を放棄しない北朝鮮、軍拡競争を繰り広げ始めた中国と日本に取り囲まれた大韓民国が、成長率も4%台にしかならない現在の経済力で、どうやってこの殺伐とした北東アジア情勢の中を生き残っていけばよいのかと考えると、気が重くなるばかりだ。

朝鮮日報/朝鮮日報JNS


この社説を読めば、もうはっきりと日本がアメリカから新しい戦闘機を買うことが決っているのだ。そしてかなり強力な戦闘機で既存のF15やF16よりもはるかに強いらしい。こんな凄い戦闘機を100機も買うというのだ。なんだこれは。韓国側が日本の軍備増強に警戒を示すのは当然だろう。

社説では、このF22戦闘機の値段が一機、約260億円だと書いてある。それはF15戦闘機の2倍の値段だそうだ。今の日本政府は財政難のはずで、借金(国債)をどう返すのか頭を悩ましているはずなのに、この軍備にかける金額の多さは、一体なんなんだ?

260億もする高価な戦闘機を100機も買う、というのだから、それだけで、約2兆6000億になるではないか。そんな金、一体、日本政府のどこにあるというのか。これはとんでもないことである。こんなものを買うために増税なんて、オレはイヤだからな。

というわけで、この問題を取り敢えず整理するとこうなる。
(1)なぜ日本の新聞にこのニュースが載らないのか。
(2)国際政治の上で中国と日本の軍備増強がいかなる意味を持つのか。
(3)借金ずけの日本政府が、こんな高価な戦闘機を買っている場合か。この戦闘機を買う金があるなら、借金の返済に回すべきではないのか。
(4)こんな高価なものを買うのだから、貧乏政府日本としては、その穴埋めのために、どこかで増税するのではないか?

などである。もっと問題点が他にもあるような気もするが、今のところ思いつくのがこれだけなので、4点だけ挙げておいた。

(追記)
まあ、もっとも、この社説の内容が正しいという保証は必ずしもないわけだから、日本のF22の導入の件で、その真偽は保留しておく。