2007年5月25日金曜日

日本の「対外純資産」215兆810億円

日本の対外純資産が215兆810億だったというニュース。


「日本の「対外純資産」、215兆810億円で過去最高」(YOMIURI ONLINEより記事を引用)

 尾身財務相は25日の閣議に、2006年末時点の日本の対外資産と負債の状況をまとめた「対外貸借報告書」を報告した。

 日本の政府や企業などが海外に持つ資産(対外資産)の金額から、外国の政府や企業などが日本に持つ資産(対外負債)の金額を差し引いた「対外純資産」残高は、前年末より19・0%増えて215兆810億円と2年ぶりに増加し、過去最高を更新した。
 国内の低金利を背景に日本人が海外の債券や株式などへの投資を増やしたことに加え、為替相場の円安が進み、対外資産の円建て評価額が増えたのが要因だ。
 対外純資産の残高は、世界2位のドイツ(06年末時点の円換算で87兆8730億円)を大きく引き離しており、1991年以来16年連続で世界最大の債権国の座を維持したとみられる。
 日本の対外資産は前年比10・3%増の558兆1060億円と過去最高だった。海外からの日本株投資が増加し、対外負債も同5・4%増の343兆240億円と過去最高を更新したが、対外資産の伸びのほうが大きかった。
(2007年5月25日12時3分 読売新聞)


対外純資産は、外国からの日本への投資分を差し引いている額だから、日本の持つ対外資産の全体はもっと多く、記事にあるように、558兆1060億円というもの凄い数字になる。

記事では、「2006年末時点で」ということで、時期を区切ってあるが、これは一年間における対外投資の実績のことではなく、今までの累計でという意味だろう。つまり何年にも渡って日本が蓄積した対外資産の総体ということになるのだろう。

おそらく、この対外資産の大部分は米国債ではないかと推定する。他の国の国債を盛んに買っているとは聞いてないし、外国の不動産を買いあさった時期はもう過ぎていて、そのほとんどを手放しているはずだ。

外国株も中国株や米国株も含めて、それほど多く持っているとは思えないのだが....何せ、純資産で215兆、全体では558兆からあるのだ。外国株ならそのうちの20兆くらいだろうと個人的な感覚で推定する。

さて、この純資産での215兆だが、このうち政府が持っている資産はどのくらいなのだろうか。仮に政府が半分近く持っていると仮定すると100兆ちょっとあることになる。

100兆円もあれば、国家の今抱えている問題にいろいろと対処できるように思う。年金問題も、増税の問題も、この対外資産を取り崩して使えば、問題に対処することができるだろう。

国内では、公務員住宅を民間に売却しようとか、国家の持つ不動産の売却の話があったと思う。ところが対外資産を取り崩して、これを使おうという話はあまり聞かない。普通なら対外資産をさっさと売って、その売却益で足りない分を補おうとすると思うのだが。。。。。ちょっと不思議ではないか?政府は今、金がなくてピーピー言っているというのに。



また一方で気になるのは、外国が日本に対して持つ資産の額だ。つまり、日本の対外資産の全体の558兆1060億円から純対外資産の215兆810億円を差し引いた、約343兆円250億という数字だ。

この約343兆円250億という金額は、かなりの大きさだ。もの凄い数字だ。

確か、日本国債など、その低利回りのおかげで、外国の投資家は買いたがらないはず。日本の国債を持つ外国は少ないはずだし、持っていてもかなり小額ではないだろうか。

つまり、外国が持つ日本の資産の大部分が民間のもの、ということになると思うし、外国が所有する、という時の「外国」とは、外国の政府ではなく、外国の民間人であるということではないのか?

記事では海外からの株式投資が増えたということが書いてあった。株式投資だけで、こんなバカでかい数字になるものだろうか?もちろん株式のみのでこんな金額に達するわけはない。

この約343兆円250億には、債券や不動産の当然入っているだろうから、株式だけではない。だが、不動産と債券、株だけでも約343兆円250億になっているのなら、日本はかなりの部分を外国に売っていることになる。

できれば、この外国の持つ日本の資産の内容と、日本の持つ対外資産の具体的な内訳を知りたいものだ。この2つは、ちゃんと公開されているのかね?