2007年5月12日土曜日

ヘロデ王の墓

3日ほど前に古代ユダヤのヘロデ王の墓が発見されたとううニュースを見た。ヘロデ王はイエス・キリストと同時代の王様で、例の赤ちゃんの皆殺しで有名な王様である。またその娘が、これまた有名なサロメ。サロメはキリストに洗礼をしたといわれるヨハネの首を銀のお盆に乗せて、狂喜しながらその首にキスをしたとかいう、恐ろしい伝承のある女だ。

ヘロデ王というと、どうもこうした悪者のイメージが強い。もっとも実際はどうだったのか自分は知らない。しばしば伝承と実際の像とが異なるという例はある。ヘロデやサロメの場合はどうなのかな?

歴史的な正しい像は知らないが、自分的にはギュスターヴ・モローの描く「サロメ」の印象が強いせいか、ヘロデ王やサロメのイメージはどこかエキゾチックで神秘的なものがある。自分とは直接関係のない遠い異国の神話の一つ、という感覚がある。あくまでも非現実的なお話の世界という感じ。


古代ユダヤ王国・ヘロデ王の墓を発見…イスラエル(Yomiuri Onlineより引用)

 【エルサレム=三井美奈】イスラエルにあるヘブライ大学のエフド・ネツェル教授を中心とする考古学チームは8日、新約聖書に登場する古代ユダヤ王国のヘロデ王の墓を発見したと発表した。


 発表によると、発見場所は、エルサレムの南方約10キロ・メートルにあるヘロデ王宮跡の近く。棺は石灰岩でできており、銅製の装飾が施されていた。棺は損傷が激しく、人骨も見つかっていないが、ネツェル教授は発見場所や装飾などからヘロデ王のものと判断したという。王宮跡は1970年代に発見され、同チームが周辺の発掘を進めていた。

 ヘロデ王は紀元前1世紀の王で、古代ローマの支持を受けて王位につき、専制政治を行った。聖書では、ベツレヘムで誕生したイエス・キリストに王位を奪われるのを恐れ、2歳以下の男児を皆殺しにするよう命じた人物として描かれている。

(2007年5月9日8時57分 読売新聞)


このニュースでは棺の中に遺骨がなかったということで、この点はかなり残念だ。せっく見つかった墓なのに、肝心の主がいないのだから淋しいものがある。棺も損傷が激しいということだが、個人的には見てみたい気がする。損傷は修復して、将来は博物館で公開される可能性もあるのだろう。