2007年5月18日金曜日

ウォルフォウィッツの辞任

ウォルフォウィッツがとうとう世銀を辞任したというニュースが飛び込んできた。ウォルフォウィッツの辞任はすでに予想されていたことだが、それがいつなのかはっきりとしなかった。今日、やっと、という感じのニュース。

「ネオコン代表格、世銀総裁辞任へ 恋人厚遇で指導力低下」(asahi.comより記事を引用)
2007年05月18日12時42分

 世界銀行は17日、交際中の女性職員の人事を厚遇したと批判されていたウォルフォウィッツ総裁が6月30日付で辞任すると発表した。内規を上回る昇給を指示したことなどが規律違反とされ、欧州の加盟国などから辞任要求が高まっており、事実上の解任といわれる。不祥事による任期途中の総裁辞任は45年の世銀発足以来初めて。イラク戦争を主導した「ネオコン(新保守主義)」の大物だった同氏を総裁に指名したブッシュ米政権には痛手だ。

17日、ワシントン郊外の自宅を出るウォルフォウィッツ世銀総裁=ロイター
 ウォルフォウィッツ氏の進退を3日連続で協議した世銀理事会は17日声明を発表。総裁を含む関係者の不手際を指摘する一方で、総裁の言い分も一部認め、「『倫理にかなった行動をした』という彼の主張を受け入れた」とした。

 同氏は05年、ブッシュ大統領の指名で国防副長官から総裁に就任。恋人が広報担当だったので、関連職場の勤務には問題があるため、自ら国務省に出向させる手続きをしたことなどが規律違反と認定されていた。昇給幅も内規を上回り、年収は5割増近い約19万ドル(約2200万円)だった。

 総裁は反論していたが、欧州を中心とした加盟国政府が辞任を強く要求。世銀調査委員会も引責を求めていた。辞任要求の高まりに、総裁を擁護していた米政府も辞任による幕引きに動いた。


世銀内にいる、ウォルフォウィッツの恋人に高額な給与をあげていて問題にされたわけだが、この辞任でネオコンの勢いはかなり後退したはずだ。辞任だといっても、実質的には更迭なのだろう。ウォルフォウィッツ自身はおそらく辞めたくなかったのだと思う。だが、もうネオコンの後退は時代の要請だ。イラクで失敗したネオコンの政策はすでに行き詰まっている。そしてネオコンを支持する社会層など、アメリカにおいても、おそらく無くなってきているのだろう。

ウォルフォウィッツの辞任で、残るネオコンはチェイニーのみではないのか。チェイニーは副大統領だから、そう簡単には辞めそうにない。このチェイニーがどういった身の引き方をするかで、ネオコンの衰退の有り様がまざまざと分かるのではないか?

チェイニーが身を引く時の態様でアメリカ社会が従来のブッシュ政権=ネオコン政策を評価しているかがかっきりと分かるはず。スキャンダルで辞めるのか、それとも高齢ということで健康を理由に辞めるのだろうか。いずれにせよ、チェイニーが失脚すれば新しいアメリカ政治がはじまるのだろう。