2007年5月26日土曜日

食の安全

食の安全に関するいくつかのニュースと若干のメモ。


「米国産牛肉、輸入量急増へ」(Nikkei Net より記事を引用)
 米国産牛肉の輸入が急増している。5月以降の輸入量は月間4000—5000トンとこれまでの2倍強となる見込み。夏場に向け日本で焼き肉用需要が増えることに対応し、商社が輸入増を計画している。大手スーパーでも試験販売に踏み切る動きが見られ、店頭に並ぶ機会も増えそうだ。

 7月以降は日本で焼き肉需要が強まる時期にあたるため、商社は輸入量を増やす見通しだ。専門商社など関係者の話を総合すると米国産牛肉の4月の輸入量は2500トンだった。5月は4000トン、6月は5000トンと大きく増える。3月の貿易統計では2209トンと、昨年7月末の輸入再開後は多くても2000トン台にとどまっていた。


スーパーで販売される分には、「米国産」ということをはっきりと明記するのだろうから、消費者としては、買う買わないは選べるわけで、これはあまり問題がない。

やや気になるのは、レストランや焼肉屋で使われる牛肉だ。これがちゃんと米国産だと分かるようになっていればいいのだが、そうでない場合は非常に困る。米国産牛肉を食べたくないのに、たまたま入った焼肉屋で米国産牛肉が使われていたら、困りものだ。

それにしても4月の輸入量が2500トンだったのに、6月には5000トンに増えるというのは倍の数字だ。一般消費者がそんな多量に米国産の牛肉を買って食べると思えないのだが。。。。。。

もし多量に輸入して、これが多量に余ってしまった場合、どうやって処理をするのだろうか。消費者が分からないように、惣菜などに米国産牛肉を使って誤摩化す、なんてことはないようにしてもらいたいものだ。これからは米国産牛肉がたくさん入ってくるのだから、この肉を買わないのはもとより、この肉が使われていると思われる食品にも注意をしておかないと。


「中国産アンコウにフグ混入 米当局、患者発生で注意喚起」(asahi.comより記事を引用)
2007年05月26日12時28分

 米食品医薬品局(FDA)は25日までに、「中国産アンコウ」として出荷された魚に猛毒を持つフグが交ざっている恐れがあると、消費者に注意を呼びかけた。シカゴでこの魚を使ったスープを食べた2人が体調不良を訴え、1人は入院。FDAが検査したところ、フグ毒の成分テトロドトキシンが検出された。魚を輸入販売したカリフォルニア州の業者は自主回収に乗り出した。

 FDAによると、テトロドトキシンは致死量が含まれている恐れがあるという。「中国産アンコウ」は昨年9月から282箱(1箱約10キロ)が同州のほか、イリノイ州、ハワイなどの卸業者を通じて販売された。商品の箱には「冷凍アンコウ」「中国産」などの表示があり、成分表示にも同様に書かれていたという。

 FDAは、毒性を考慮してフグの輸入には厳しい基準を適用しているが、今回輸入した業者はこうした基準を満たしていなかった。この魚を輸出した中国の業者の商品については、全量検査を行っているという。

 米国では中国の原材料を使ったペットフードが原因で犬や猫が死亡する例が相次いだことをきっかけに、中国の食品や医薬品の安全性に対する懸念が強まっている。


これは恐ろしいニュースだ。以前から中国産の野菜には農薬の問題が日本でもあった。中国野菜は個人的には買わないように注意している。スーパーなどでは中国野菜は安く売られているが、多くの人は注意してあまり買わないようだ。

しかし、こうしたニュースを見ると中国産の食べ物は怖くなる。冷凍の特に調理加工していない魚(アンコウ)でも、まったく安心できないものなのだ、ということが、このニュースで分かった。よく中国産の魚やエビなどをスーパーで見るが、できれば買うのは避けた方がよいと判断した。

このフグが混じるというのは、これは死ぬことだってある。米国は日本へ輸出する柑橘類などに、かなり強度の農薬を使っていると言われる。また今度の牛肉問題もあって、我々日本人の健康などどうでもよい、という態度だ。その米国が今度は自分たちの健康や生命が中国からの輸入食品によって脅かされる立場になった。何とも皮肉なことだ。


「中国からの「危険食品」、米が107件差し押さえ」(asahi.comより記事を引用)
2007年05月21日13時36分

 中国産の食品や薬品の原料から毒性物質が検出されている問題で、米食品医薬品局(FDA)が4月の1カ月間で、中国からの輸入食品貨物107件を危険性があるとして水際で差し押さえていたことが分かった。米ワシントン・ポスト紙が20日、報じた。ほかにダイエット用の補助食品や化粧品など1000件余りも差し押さえられているという。

 同紙がFDAの文書をもとに報じたところによると、差し押さえられた中には、発がん性のある物質によって保存加工された乾燥リンゴ、使用が禁止されている抗生物質が使われた冷凍ナマズ、違法な農薬が使われたキノコ類などがある。

 一方、FDAによると、先月27日から今月17日までに、中国からの植物性たんぱく質濃縮物の輸入を46件差し押さえた。米国では、中国から輸入された植物性たんぱく質を使ったペットフードを食べた犬や猫が死ぬ例が相次ぎ、樹脂などに使われるメラミンが添加されていたことが原因とされた。差し押さえた貨物は、業者側がメラミンが混入されていないと証明すれば輸入を認める。

 また、19日付のニューヨーク・タイムズ紙は、パナマ当局が歯磨き粉6000本から毒性のあるジエチレングリコールを検出したと伝えた。中国から輸入された可能性が高い。歯磨き粉は服用されないため健康被害は少ないと見られるが、パナマではジエチレングリコールの混入された風邪薬が原因で100人の死亡が確認されている。


これは少し前の記事だが、ペットフードに入っていた毒物でペットが死んだという話だ。パナマでの風邪薬が原因で100人死亡というのも、もの凄いニュースだ。中国のいい加減さは度を超えている。幸い日本ではここまで被害が出ていない。

考えてみれば、何故中国産の食品や医薬品などから、ここまで人体に有害なものが含まれているのだろうか。最近になって急にこうした極端なケースが出てくるようになった。確かに中国産の野菜の農薬で死んだ人が日本でもいたが、何人も多くの人が死んだというニュースはなかった。

ここにきて、いきなり極端なケースが出てくるのも異常だ。何なのか?


「中国、「食の安全」へ法整備・欧米の不信解消狙う」(Nikke Netより記事を引用)
 【北京=尾崎実】中国の国家品質監督検査検疫総局は21日、北京で「食の安全」など消費者保護に関する国際会議を開いて中国製品の安全性を高めるための法整備を進めていることを明らかにした。中国産原料を使用したペットフードを食べた猫や犬が中毒死するなど、中国製品への不安が高まる中、安全確保への取り組みを国際社会に訴える狙いがあるとみられる。

 同局の李伝卿副局長は同日の会議で「政府は商品の安全性を重視しており、中国は消費者の安全と健康に責任を負う国家。安全確保は政府の重要職務だ」と説明。製品の安全を確認・検査する体制の強化へ立法措置を進めているとした。

 安全性に疑いのある商品については、インターネット上で閲覧できるシステムの準備を急ぐなど、消費者への情報公開に積極的に取り組んでいると紹介。既存製品の偽造なども安全性の低下に繋がりかねないとして厳しく取り締まるとともに、製造元への監督を強化するという。


さすがの中国もこれらの問題には対応しないとマズいと思い、こうした法整備をするらしい。しかし対応が遅い。中国もかれからは世界で重要な位置を占める大国としての役割を演じなければならないから、こうした問題には冷静に対応していくだろう。

どれだけ迅速に対応できるのか、又は、規制による効果を出すことができるのか、お手並み拝見だ。勿論、個人的には中国産の食品は当分買わないが。