2007年5月28日月曜日

松岡農水相の自殺

今日いきなり飛び込んできたニュースで衝撃的だったのは、松岡農水相の自殺というニュースだった。


「松岡農水相が自殺 議員宿舎で首つる」(asahi.comより記事を引用)
2007年05月28日14時21分

 28日正午ごろ、東京都港区赤坂2丁目の衆議院赤坂議員宿舎1102号室で、松岡利勝・農林水産相(62)が首をつっているのを秘書らが発見、119番通報した。警視庁によると、松岡氏は自殺を図ったとみられる。松岡氏は新宿区の慶応義塾大学病院で治療を受けていたが、午後2時、死亡が確認された。

赤坂署によると、松岡氏はこの日午前10時ごろまで、宿舎の室内で秘書と話をしていた。その後、出かける予定だったが、正午ごろになっても本人が室内から出てこないため、秘書が、警護に当たっていた警察官と一緒に室内に入ったところ、松岡氏が居間のドアの金具に、布製のひもで首をつっていたという。

 松岡氏をめぐっては資金管理団体の光熱水費や事務所費の不透明な支出や、入札談合事件で理事らが逮捕された農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」に関連する団体からの献金問題など「政治とカネ」をめぐる問題が野党から次々と追及されていた。

 松岡氏の資金管理団体をめぐっては、電気代も水道代もかからない議員会館を事務所としているにもかかわらず、政治資金収支報告書には05年までの5年間に光熱水費計約2880万円がかかったと計上していた。松岡氏は国会で「ナントカ還元水とかいうものを付けている」と答弁したが、その後は「適切に報告している」などと繰り返すだけで具体的な説明は一切避けていた。

 また、議員会館は家賃もかからないのに、年間約2500万〜3300万円を事務所費として支出していたと政治資金収支報告書に記載していた。

 一方、緑資源機構をめぐっては、共産党が、林道などの事業と関係のある7政治団体を含む計9団体が松岡氏に約1億3000万円の政治献金をしていたと指摘している。

 このほか、出資法違反容疑で福岡県警の家宅捜索を受けた会社の関連団体のNPO法人申請をめぐって、松岡氏の秘書が審査状況について照会していたことが発覚。松岡氏の後援者に対し、都内の会社経営者が「松岡氏への資金協力」として渡した100万円が使途不明になっていることが判明するなど、「政治とカネ」をめぐる問題を指摘されることが絶えなかった。

 松岡氏は熊本県出身。69年、鳥取大農学部卒。69年に農林省に入り、天塩営林署長などをへて林野庁広報官を最後に88年農林水産省を退官。90年2月の総選挙で衆院議員に初当選し、当選6回。農水政務次官や衆院農水委員長、農水副大臣など一貫して農林水産畑を歩んできた。

 06年9月の安倍政権発足時に初入閣し、農水相に就任。農水族の中心的な存在として知られ、対中コメ輸出や豪州などとの経済連携協定(EPA)の交渉にあたっての手腕が買われた。安倍首相は「攻めの農政を進めるうえで必要な人材」と評価し、光熱水費問題をめぐっても擁護する姿勢を貫いてきた。



「松岡農水相のこれまでの主な答弁」(asaho.comより記事を引用)
2007年05月28日15時19分

 家賃が不要な議員会館に事務所がある資金管理団体が年間2000万〜3000万円の事務所費を計上していた問題について問われて、「架空のものだとか、付け替えというのは一切ございません」(1月9日、パリで記者団に)

 「政治資金規正法にのっとって報告している。説明責任はすでに果たしている」(1月16日、閣議後の記者会見で)

 「水道は『ナントカ還元水』とかいうものを付けている。暖房なりなんなり、別途そういうものも含まれている。必要な範囲で、確認したものがあれば答える」(3月5日、参院予算委員会で)

 「法律の定めに従ってきちんと対処するのが基本。現行法ではそれ(報告)をもって説明に代えると理解している」(5月23日、衆院予算委員会で)

 緑資源機構をめぐる入札談合事件で、同機構理事らの逮捕を受けて「今の事態を重く受け止めているし、私も所管の大臣としての責任は、きわめて痛切に感じている」(5月25日、閣議後の記者会見で)


「海外メディア「スキャンダルの最中に自殺」と松岡氏報道」(asahi.comより記事を引用)
2007年05月28日20時35分

 松岡利勝・農林水産相の自殺について海外の主要通信社は28日、一斉に「スキャンダルの最中に自殺」といった東京発の記事を配信した。

 ロイター通信はNHKが死亡の速報を流した直後、それを引用する形で速報。続報で一連のスキャンダルに言及し、「自殺は、安倍政権の支持率が発足以来最低レベルに落ち、7月の参院選で与党陣営が過半数を失いかねない状況の中で起きた」と解説した。

 韓国では通信社の聯合ニュースが午後1時過ぎ、「日本の現職閣僚が自殺を図った」と題した速報を配信。ニュース専門テレビYTNも、松岡氏が病院に搬送される画像を交えて事件を報じた。

 有力紙・東亜日報の徐永娥・東京支局長によると「日本の現職閣僚の自殺は、韓国でも驚きをもって受け止められている」という。「松岡氏のカネをめぐる疑惑を安倍首相はかばってきた。自殺は安倍内閣に政治的な打撃を与えるだろう」とする解説記事を本社に送った。

 ドイツでは、主要国首脳会議(G8サミット)などに続いて松岡農水相のニュースが伝えられた。公営放送ARDは昼のニュースでスキャンダルの渦中にある農水相が自殺したと、現場の映像を流しながら伝えた。


スキャンダルがあったとしても、なぜ自殺までするのか分からない事件だと思う。これから、この件に関して細かいニュースが出てくるだろうから、それらを良く読んで自分なりに今回の事件を考えておきたいと思っている。一国の国務大臣が自殺するというのは、本来、尋常なことではない。

農水省という、一見地味な印象を与える省の大臣の置かれた状態が、自殺するほどまでにキツいものだったとは思えないのだが。。。。。

農水省の抱える政策的な問題で重要だったのは、長期的にはやはり食物の自給率も問題だっただろうと思う。また直近の問題では、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)などがあったようだ。

実務の側面でこれらの事から自殺至る動機など、まったく無いように思える。一体、何なんだ?と思うばかりだ。

今年の参議院選挙にも影響が出るだろう。

賄賂の問題だけで自殺するとは思えないし、自殺した理由は何なのだろう?とにかく、現職の閣僚の自殺は現憲法下では初だというから、今はまだ報道されていない理由があるのだろう。


「現職閣僚の自殺、現憲法下では初」(asahi.comより記事を引用)
2007年05月28日14時24分

 現職閣僚の自殺は現憲法下では初めて。これで戦後の国会議員の自殺者は7人となった。05年に自民党の永岡洋治衆院議員が、98年に新井将敬衆院議員、83年に中川一郎元農相が自殺している。このほか、同年、社会党の松本幸男衆院議員、91年には自民党の名尾良孝参院議員が、それぞれ、病気を苦にしたとみられる理由で自殺している。

 また、45年12月には、戦犯容疑者となった近衛文麿・元首相が出頭直前に服毒自殺した。

 戦中の43年には時の東条英機政権と対立していた中野正剛衆院議員が、憲兵隊からの取り調べを受けたあと割腹自殺したこともある。