2007年5月19日土曜日

東条由布子さんの参院選立候補

条英機元首相の孫の東条由布子さんが、参議院選挙で立候補するという。立候補地は東京だ。


「東条英機元首相の孫、東条由布子さん参院選立候補へ」(asaho.comより引用)
2007年05月15日19時34分

 東条英機元首相の孫娘の東条由布子氏(67)が15日、東京都庁で記者会見し、7月の参院選東京選挙区(改選数5)に無所属で立候補する意向を表明した。

 東条氏は「今の風潮では、日本は諸外国に迷惑をかけた悪い国というイメージを子どもたちが持ってしまう」と語った。東京裁判史観の見直しや、戦没者の遺骨収集の推進などを訴え、高齢者福祉の充実にも力を入れる意向を示した。

 東条氏は、東条元首相を含むA級戦犯の靖国神社からの分祀(ぶんし)に反対している。ソウルで生まれ、保護司やヘルパーなどを経て、遺骨収集を進めるNPO法人「環境保全機構」の理事長を務めている。


この記事では東条さんの政策がほとんど書いてないので、政治家として何をやりたいのか、イマイチはっきりとしない。

東京裁判史観の見直しという問題は政治問題というよりも言論上の問題、もしくは、歴史学の問題だと思うので、政治とは直接関係がないと思う。

もっとも、日本のイメージを悪いものとして広めてしまった人々もいるのは事実だろう。そしてアジアでの日本に対するイメージが悪くなり、最近もアメリカで従軍慰安婦の問題を、議会で問題にするという動きがあった。アジアのみならず、世界的に戦前・戦中の日本に対するイメージが悪いものになっている。

こうした問題は、確かに政治的に看過できないことではある。東京裁判の評価を政治の上で直すのは難しいが、広義での日本に対するイメージを改善したいというのは理解できる。

勿論、そういった広義での日本のイメージの改善であれば、それに対する見直しが政治的に可能であればすべきだ、というのが自分の立場だ。

日本国内の言論人でも戦前・戦後の日本のイメージを悪くした人々がいた。その多くは従軍慰安婦問題で、日本の軍部に強制連行があることを認めたり、強制はなくとも著しい人権侵害があって、自分こそは被害者の人権を守るべき、良心的な言論人として振る舞っていた。

また南京大虐殺の問題でも、積極的にその存在を認め、かなり多くの被害者が居たのだと主張する日本の言論人もいた。この人達も被害者の立場を尊重する、良心的な言論人としての振る舞いを演じていた。

その言論自体はそれでも良いが、だが、その結果、日本のイメージを悪くするばかりだったのも事実だ。アメリカ議会でも問題にされる前提作りに貢献したことも否定できない。


こうした流れの中で、従来の左翼的言論やリベラルな言論に対して、民族的・中道よりやや右的な言論も多くなってきている。それらが多くの大衆から支持されてきている。「WiLL」という雑誌はその分かりやすい例だろう。

また若い世代でも、「ゴー宣」などの影響もあって、理不尽な日本批判に対する批判的な視点を持つ者も出てきている。戦前・戦中の日本のイメージを回復したいと思う人々も多くなった気がする。

今まではこうした政治的、歴史的な問題には無関心な人が多かったのだが、最近では関心を持つ人が多くなった。時代はかなり変ってきているのだろう。

そんな中での東条由布子さんの出馬宣言は、こうした政治的、歴史的な問題への関心が高まってきた中で、はじめて可能だったことかも知れない。

無所属での出馬というから、政党からの資金援助がないので、選挙は大変だろうと思う。また無所属だと組織票もまったくない。だから所謂、浮動票というのを期待しての選挙ということになる。

どういった層がこの人を支持するのか、個人的にはまったく分からないが、個人的には応援した気分である。しかし残念ながら東京での立候補でも、自分の所の選挙区ではないので、投票してあげられない。

「超人大陸」に東条由布子さんの動画がアップされていた。本人の顔も見れるし、興味のある人は見て欲しいと思う。「東京裁判を知っていますか?」というタイトルの動画である。