2007年5月13日日曜日

北京市の遊園地

北京市にある遊園地が、ディズニーランドそっくりだ、ということでアメリカ側が問題にしだしている。

2007/05/12-14:10 ディズニーそっくり遊園地を調査=著作権侵害の疑い−北京市(時事ドットコムより引用)

 【北京12日時事】中国紙・新京報によると、北京市郊外の国営遊園地「石景山遊楽園」が、ディズニーランドにそっくりのキャラクターなどを登場させた問題で、米ウォルト・ディズニー社は12日までに、著作権を侵害された疑いがあるとして北京市版権局に通報した。王野霏副局長はこれを受けて「政府関係部門は事態を非常に重視しており、既に調査を開始した」と明らかにした。
 米中両国は今月下旬にワシントンで戦略経済対話を開き、中国の知的財産権侵害問題についての対応なども協議する。中国政府は来年の北京五輪を控え、この問題が中国の対外的イメージを損ないかねないと懸念を強めている。


この記事を読むと、米中共に従来のやり方を変えてきているような印象を受ける。今までの中国なら、海賊版なんか当たり前、という世界で、著作権なんかほとんど無視に近かったのではないか?それが著作権や知的財産権を重視する方向に向かっているみたいだ。アメリカも今までなら中国に対しては比較的諦め状態で、著作権や知的財産権について中国にうるさく言う、という印象はあまりない(そこそこはあったのかも知れないが)。

それが今回のように遊園地という、遊び場のあり方をめぐって、ニュースになるというのは時代が変った証拠だろうか。

これはたぶん、中国が資本主義に対して成熟したものの考え方を身につけるようになったから、という理由もあるだろうし、法的な整備も資本主義を前提にしたものを進めているということもあるだろう。

現在の中国は海外資本を積極的に呼び込んで来たわけで、それで大きな経済的な成長を進めてきた。海外の資本や投資を呼び込んで成長を続けるためにも、こうした著作権や知的財産権の保護をきちんとやる必要はどうしてもあるだろう。

それだけ中国社会も国際化を無視していられない時代になっているのだろう。これからも盛んに欧州やアメリカ、日本などに投資してもらい、良好な関係を築くためには、こうした法律をめぐる様々な保護をちゃんとやることは不可欠だ。

これから中国は物件法を整備しようとしているし、商法もきちんと作っていくのだろう。中国はこうした法整備や外交面をも含めた「資本主義化」を押し進めることになるだろう。これから10年、20年後の中国は一体、どの程度大きな存在になっているのか、予想もつかないくらいだ。

また、日本に対する従来の反日の姿勢も変えてきているし、中国の変化は目に見えるくらいだ。先日の温家宝首相の来日の時の友好ムードは、歴史的転換と呼べるくらいのものだったと個人的には思う。外交路線はかなり変質してきている。

中国が今までなかった程の経済成長と軍備の増強を達成したおかげか、国家の基本的な路線を修正し出しているという印象を受ける。中国が東アジアの中心国としてのしっかりとした地位を築きたいという思いを感じる。それがどれだけ成功するのか、これからよく見ておくことにする。